すみれ会

すみれ会 栃木県女性経営者100人

宇都宮東法律事務所

弁護士という仕事を通して 一期一会の出会いを大切にしたい

弁護士

関口 久美子

身近な専門家として 法律相談の敷居を低く

平成27年7月に、夫と共に独立し『宇都宮東法律事務所』を宇都宮市内に設立いたしました。新事務所は二階建てで、二階は全室個室になっています。相談者のプライバシーをより守るため、声が外に漏れないなどの注意を払っています。


弁護士の仕事というとドラマの法廷シーンを思い浮かべる方も多いと思いますが、実際には地道な作業が主になります。相談を受けるところから始まり、まずはしっかりと話を聞いたうえで、どうしたら解決できるかを考え、アドバイスをしていきます。民事事件の場合は法律相談を受けた後に即訴訟ということではなくて、交渉や調停などさまざまな方法があり、むしろ裁判ではないほうが解決方法として適している場合もあります。依頼を受けた後は証拠集めなど、事実関係を確認するための調査も大切な仕事となります。


社会や人間関係が複雑化するにつれ、大小さまざまなトラブルが起きているのが今の時代です。ささやかなトラブルでもどうか自分だけで抱え込まず、気軽に専門家に相談してみてください。私たちの事務所ではできるだけ敷居を低くし、皆様の身近な法律の専門家でいるように心がけています。そして現在、事務所として、特に交通事故分野、離婚・相続などの家事事件分野に力を入れています。


依頼者の方の中には、法的トラブルを抱えて大変苦しい思いをして相談に来る方もいます。その方の抱える問題に向き合う作業はとても根気のいる作業ですが、問題が解決できた時の依頼者の方の安堵した表情を見ると何物にも代えがたい充実感を感じます。

人の役に立つ仕事を求め 法律家をめざした高校時代

 私は茨城県出身で、理解ある父親の後押しもあって土浦第一高校卒業後、早稲田大学から同大のロースクール(法科大学院)に進学、卒業後司法試験に合格しました。高校時代は部活で弓道に打ち込んでいましたが、部活を卒業し受験勉強に臨んで将来について真剣に考えました。漠然と「人の役に立つ仕事」がしたいという思いと、性格的に人と関わったり話をするのが好きだったこともあり、法律を学んで人の役に立とうと目標を定めました。


部活を卒業してから受験までの期間は勉強に没頭しました。いざというときの集中力は、弓道に打ち込んでいたことで培われたものです。ただ無心で弓を引く、それを繰り返してきた鍛錬が、その後の私を支えているのではないかと感じています。ロースクール時代は本当に勉強漬けの毎日でした。朝起床した後は午前9時から午後6時まで学校の授業、その後は図書館、帰宅してから寝るまでも勉強です。過去の判例を読んで理解することが中心で、地裁レベルのものも含めると膨大な量の判例を相手にしなければなりません。司法試験はロースクールを卒業してから3回しか受験できないので誰もが必死で勉強をしていました。努力の甲斐あって司法試験に合格すると、迷わず弁護士を選びました。裁判官、検事と選択肢はありましたが、人と触れ合うという点で自分の理想にもっとも近いと感じたからです。学んできた知識を活かして、人に寄り添いながら解決法を考えることに魅力を感じたのです。


大学時代には、国際人権団体であるアムネスティ・インターナショナルの活動にボランティアとして参加しました。日比谷公園で行われた『国際人権フェスティバル』やさまざまな勉強会、講演会などのお手伝いを通して、特に弱い立場にいる人たちの「人権」ということについて深く考え、学ぶことができました。現在の私にとっても大変貴重な体験だったと思います。弁護士になってからは関東弁護士会連合会の外国人の人権救済委員会の一員として難民支援のお手伝いをさせていただくなどの活動をしています。

オンとオフを切り替えて 厳しい仕事に向かう

法曹界では女性の割合はまだまだ低いですし、男社会だなと感じることもあります。交渉の場面では相手側から理不尽な言葉を投げつけられることもありますが、そのような時こそ、的確かつ誠実に仕事をすることが重要だと考えています。そうすれば相手の対応も変わってきます。女性だからこそ、女性の視点を生かして出来ることがたくさんあると感じています。そうしたことを大切にして、依頼人との信頼関係を作ることを心がけています。


そのためにはつねにリフレッシュした気分で、冷静に仕事に向かうことをモットーにしています。事務所を出たら仕事のことを忘れるように、オンとオフの切り替えを大切にしています。時間をかけた入浴や野菜の多い食事など日常生活にも気を使っています。温泉や旅行も好きで、学生時代に青春18切符を使い、一人で一週間かけて知床半島まで旅したこともあります。忙しい毎日ですが、自分のための時間を意識して作ることも大切なことだと考えています。


 最近は弓を引く機会はほとんどありませんが、弓道は私の根幹を築いてくれたもの。その精神は忘れずに持っていたいものです。弓道を通して得たものはたくさんありますが、なかでも友人・人間関係は自慢です。皆、強い精神力でさまざまな分野で活躍され、学ぶべきところも多いのです。一生大切にしていきたい宝物です。

profile

茨城県かすみがうら市出身。 水戸市内の法律事務所で3年間イソ弁として勤務を経た 後、宇都宮市内の法律事務所で勤務開始。その際に弁護 士の同僚であったご主人と出会い、結婚後、独立して現 在の事務所を設立した。人と関わり、人を支えていると 実感できる弁護士の仕事は天職だと感じている。

宇都宮東法律事務所