すみれ会

すみれ会 栃木県女性経営者100人

有限会社 平山自動車

車も従業員も安全第一〝継続は力なり〟を胸に、お客様とつながり続ける

常務取締役

平山 史恵

レンガ造りの新社屋はお客様を招く来店型

 「すてきなレンガの建物ですね」と、お客様からよくお褒めの言葉をいただきます。いかにも修理工場という外観は避けたかったのと、洋風のデザインが気に入り「平山自動車」の社屋はレンガ造りにしました。

 主人の父が創業してから66年。以前は法人のお客様を中心に車検や整備、板金をしていましたが、平成7年に法律が変わって個人でも車検を受けられるようになると、車検代行業者などのライバルが増えました。そこで一般の方も対象にしようと考え、平成13年に社屋を建て替えて、お客様を招く来店型の店舗をつくりました。

また、建て替えと同時に店舗と自宅を同じ場所にしました。義父が他界して主人が社長になったこともあり、こちらに腰を据えようと考えたからです。やはり大切なお客様の車を預かっているので、近くにいる方が安心ですね。離れて住んでいたときは、休日でも台風がくると心配で見に来ていましたから。

店舗と自宅が一緒だと、24時間365日仕事が頭の片隅にあるので「仕事をやらされている」と思っていたら重荷だったかもしれません。しかし「商売ってそういうものだ」というふうに気持ちを切り替え楽になりました。つらいときは主人の口癖でもある〝継続は力なり〟という言葉を思い出すようにしています。

10年ほど前から、栃木県初となる「スーパー乗るだけセット」というマイカーリースを始めました。車検やメンテナンス費用、税金などがすべてパックになっていて、月々定額で5年間新車に乗れるお得なセットです。オイル・バッテリー・タイヤの交換といった面倒なことは全部当社が引き受けますから、リース中のお客様はガソリンを入れるだけ。国産の全メーカー・全車種に対応しており、お好きな色やナンバーを選べます。

マイカーリースのお客様には「メンテナンスが付いているので安心」という女性や、新卒の方の親御さんが多いです。頭金なしで乗れるため「軽自動車に乗り換えてお金をためたい」という男性もいらっしゃいます。

車っておもしろいもので、見ればその人が分かります。車内が自分の部屋のようになっている人もいますよね。だからファッションと同じように、おしゃれな車に乗り換えるのも良いのではないかと思います。

つながりを大切にして信頼される会社になりたい

休日は、田舎のお店巡りをしています。古い町で長く続くお店には理由があるので、学ぶことが多いですね。いつ行ってもにこやかに話しかけてくれて、ホッとします。こんなふうにお客様とのつながりを大切にしたい。お客様に信頼されて〝生涯顧客〟になってもらえるような会社にしたいと思います。 

 訪ねたお店は、毎月制作している「かわら版」に載せています。これは当社からお客様へのメッセージとして、店内に置いてあるもの。運転中に注意したいことや社長の趣味であるマラソンのことなども載せていて、今では私の趣味になっている感じです。ほかにも写真と俳句を組み合わせた「フォト俳句」を作っていて、下野新聞に作品が載ったこともあります。

人の命を守るためにも安全装置が付いた新車を

 普段大切にしていることは、従業員の安全です。3月11日の東日本大震災のときはすぐに現場を見に行って、車をのせるリフトが上がっていないか確認しました。従業員にケガがないよう、「揺れたらすぐリフトを下げるように」と言っています。

もちろん車も安全が一番。今は高齢者の事故について声高に言われていますが、栃木県は車がないと不便ですし、足が痛くて歩けないから車に乗っているという方もいます。もう車に乗らない方がいいと思う方には、今後シニアカーをお勧めしていきたいと思っています。

それに車の装備は年々進化していて、新しい車には安全装置がたくさん付いています。この間突然前の車が止まって追突しそうになりましたが、自動ブレーキ機能が付いた車に乗っていたので止まることができました。車というのは人の命に関わる機械ですから、古い車に我慢して乗るより、新しい車に乗ることを考えてみても良いのではないでしょうか。

profile

宇都宮市出身。東洋大学短期大学(現在は東洋大 学に統合)日本文学科卒業後、金融関係の会社に 勤務。昭和60 年に結婚し「有限会社 平山自動車」 に入社。現在は常務取締役として、事務やマイカー リース「スーパー乗るだけセット」の販売を手が ける。家族は義母と夫、独立した娘2人。