すみれ会

すみれ会 栃木県女性経営者100人

株式会社ワタナベプレス

技術集団としてのプライドを大切に
〝ものづくり〟の喜びをわかちあえる企業へ

代表取締役

渡辺 玲子

信頼関係を支える確かな製造技術

当社は、多様な機械加工と精密板金を主力事業とし、高度な製造技術と品質管理でお客様からの信頼をいただいています。基本は少量多品種で試作品の製作も得意とし、より職人的な仕事といえるでしょう。お預かりした図面をプログラミングして三面図を起こし、金属素材をレーザーで切る、曲げる、穴をあける、組み立てるといった一連の作業には〝熟練〟が要求されます。技術の向上はもちろんですが、製品をとおして〝ものづくり〟の奥深さ、楽しさを実感できる仕事でもありますね。


創業は昭和48年で、私の義母が起こした部品加工工場が前身です。母、夫と受け継いで私は3代目の社長です。平成7年に就任して20年、経営上の苦難はさまざまにありましたが、いつも自分たちの作る製品そのものが乗り越えさせてくれました。ただそのときどきでどう舵を切るか、社長としての判断は簡単なものではありません。つねに新しい情報にふれ、経営の勉強を怠らないなど自分を律しながら走ってきました。取引先は大手メーカーをはじめ80社ほどですが、今日まで途切れることなく仕事を頂戴できるのは、品質に対する信頼感の高さの表れと自負しています。今後もさらに高い品質とそれを支える技術の向上、そのための社員教育に力を注いでいきたいです。

プロの技術集団を育てるきめ細かな社員教育

近年、積極的に新卒採用を行っています。即戦力となる中途採用も長所がありますが、社員を一から育てるというのは、経営者にとってはたいへん魅力があることなのです。技術はもちろん社員としての心構えや、なにより“ ものづくりの心” を持った職人を育て上げたいという理想が、私にはあるのです。


製品は分業で完成品となります。プログラミング、カッティング、穴あけ、多様な加工など各パートでの正確で丁寧な技術の集結により、高度な製品は完成します。優れた製品とそれを手にしたお客様の喜びは、技術者の喜びでもあります。そうした体験を積み重ね、技術研鑚に励んでほしいと考えています。社員の意欲に対して会社はバックアップを惜しみません。工場長を責任者に教育プログラムを組み、定期的な社内勉強会・意見交換会のほか、外部の有料研修にも積極的に参加させています。仕事に必要な国家資格や導入している機械メーカーの検定など、受験料は会社が負担しています。特に若い社員には、複数の資格を持った「多能工」をめざしてほしいですね。


私には技術指導はできませんが、技術者としてのプライドを持ち、仲間とお客様への感謝の気持ちを忘れるなということを、しっかりと伝えていきたいのです。そして現在は少ないですが、今後女性も積極的に採用して、技術者として育てたいと考えています。


当社は、福利厚生にもずいぶん力を入れています。昼食補助や保養施設の維持などは今後も続けていきたいですね。息子である専務には「甘すぎる」とよく言われるのですが。

次世代の発展を見すえ何の種をまくか

20年間でもっとも大きな決断は、平成19年に上三川工場を新設したことです。借り入れをして工場を建て、最新の高性能機器を導入するなど思い切った設備投資を行いました。これによって仕事の幅も広がり、社員のモチベーションも高まりました。大胆で、でも正しい判断だったと思います。世代交代の時期も近づいており、次世代のためにどのような方向性を指し示すのかが問われています。


中期スパンでは、ワタナベプレスの培ってきた技術で、自社製品の動くものをやりたいですし、インテリア商品の展開を広めていきたいです。私の代でこうしたことへの足がかりは作っておきたいですね。


近いところでは、ISO14001(環境)の認定をめざしています。ISO9001・2008(品質)は認定済みですが、環境マネジメントを考えることは次世代の企業としての義務と考えます。そして10年以上勤務社員の平均年収を400万円にするという私の目標は、自分の代で達成したいものですね。

profile

宮城県出身。前社長の逝去にともない代表取締役に就任。自ら軽トラで納品にも赴く行動力と気さくな性格で、社内外でリーダーシップを発揮する。絵画や骨董の収集は年季が入っている。