すみれ会

すみれ会 栃木県女性経営者100人

株式会社IBC

運送業専門の便利なソフトで事故を減らせるようなシステムを提供したい

代表取締役

篠原 真佐子

夫婦二人三脚でスタート苦難も社員と乗り越えた

 〝コンピュータソフトの会社を始めるなら、専門分野に特化したソフトが必要〟という夫の思いから、運送業向けソフトの専門会社「IBC」はできました。大手情報処理会社に24年勤めていた夫は、その会社が専門分野をもつことで成功していた経験から、独立する時も分野を運送業に絞り込み、これまで学んできたことを事業に生かそうと考えたようです。

一方、結婚前の私は銀行員として働いていて、運送業に関してもパソコンのシステムについても素人。ゼロからのスタートでした。パソコン業界は日進月歩で、新しいことがどんどん増えていきます。それを学ぶのが大変でしたね。

当初は夫が開発したソフトの使い方を、私がお客様の所にインストラクターとして教えに行くという夫婦二人三脚で仕事をしていました。評判が良いと、お客様が同業者を紹介してくれます。そうやって少しずつ顧客を増やしていきました。

一番苦しかったのは、リーマン・ショックの前に5〜6人の社員がたて続けに辞めた時です。本当に困り、一時は外注もしながら、残ってくれた社員と一緒に乗り越えました。この時の社員は今も当社にいて、心から信頼でき、安心して仕事を任せられる存在になっています。まさに〝人で落ち込み、人で救われた〟と同時にリストラせずに少数精鋭体勢ができた事ですね。

お客様にも社員にも喜んでもらいたい

 平成23年に夫が会長になり、私が代表取締役に就任してからは、やはり意識が変わりました。以前にも増して心がけているのは、毎朝社員に声をかけることです。一人ひとりのベストな状態を知っているので、顔を見れば体調が悪いとか、元気がないなどが分かります。そこから会話をしたことで問題が発覚し、早期に解決できたこともありました。誰でも人に目をかけてもらえると嬉しいですよね。それに社員も相手が男性より女性の方が相談しやすいと言うので、私が努めて見るようにしています。他にも、会長が毎週月曜の朝礼で話をしたり、2カ月1度会長による「創業者研修」を開いたりと、経営者と社員との関わりをつくるようにしています。

仕事でやりがいを感じるのは、お客様に喜んでもらえた時です。当社が開発したソフトは、運送業の事務作業すべてをシステム化した「トラッキー21」。多様な書類をクリック一つで発行できるなど、事務処理を少ない人数で、効率良く行えます。また、運転状況をひと目で把握できる「セイフティレコーダ」も好評です。ドライバー本人も気付かなかった癖を見抜き、運転診断をしてくれます。これらのシステムを導入したことで、お客様から「事務処理が楽になった」「燃費が向上して、事故が減った」と言ってもらえたとき、頑張ってきてよかったなと達成感を感じます。

家事と仕事を両立して新しいことにも挑戦

女性は家庭があると、仕事オンリーというわけにはいきません。家事と仕事の両立では、いろんな壁にぶつかりました。若い頃は妥協できない性格で、全部やろうとして体調を崩すこともありました。今は優先順位をつけて、今日はこれだけにしようとか引き算しながら生活できるようになりました。それにフルで仕事をしなくても、安心して任せられる社員がいます。最近では、家事も夫と二人三脚。交代で料理や掃除、洗濯をしてもらえるので、プライベートの時間をもてるようになりました。

実家が農家の私は自然に囲まれて育ったので、緑が好きです。趣味は、山登りや温泉に行くこと。シーズン中は月2〜3回、ゴルフも楽しんでいます。ゴルフをしていると、トラブルがありますよね。バンカーに入ったり、池越えをどうするか悩んだり。そんな時、冷静に状況を判断して、誰にも頼らずに問題を解決するところが経営と似ているなと感じます。

仕事の面では、最近スマホを使って事務所とコミュニケーションがとれるシステム「GPSトラッキー」の販売を始めました。今の運送業界は、事故がとても多いですよね。衝突のはずみで積み荷が落ちて、被害を出すこともあります。そのような事故を減らせるものや、ドライバーの意識をより高く変えていけるようなソフトを当社から提案していきたいと考えています。

 また、地元の企業や運送業者に根ざしたサービスも提供していけたらいいなと思います。

profile

益子町出身。高校卒業後、常陽銀行に入行。平成2年篠原覚氏 が「株式会社IBC」を設立。平成9年に結婚。平成23 年代表 取締役に就任
株式会社IBC