すみれ会

すみれ会 栃木県女性経営者100人

フォトグラファー・「すずき写真館」

フォトグラファーとして磨いた感性、技術、経験を 写真館のお客様の笑顔に生かしたい

代表

加藤 真弓

感性に響く瞬間を求めて 自然や人に向かい合う

 宇都宮市中心部で「すずき写真館」を経営する傍ら、フォトグラファーとして創作活動を行っています。大学で写真を学び、卒業後「すずき写真館」で仕事を始めました。当時は結婚式の撮影が多くお日柄の良い日は「4×5―シノゴ」と呼ばれる大型カメラを使用して走り回ったものです。スタジオでは証明写真、記念写真撮影をしています。中学校の卒業アルバム、幼稚園など、父の代から30〜40年もお付き合いいただいているお客様が多いです。商品撮影も行っています。


写真家としての活動は自然が好きで栃木県を紹介したくて県外で個展を開催しております。キヤノンギャラリー銀座、仙台、名古屋、オリンパスギャラリー東京・ギャラリー古都・京都にて開催。


「日光、香り‥」作品制作には年間50日程通いました。夜中2時頃家を出て,暁光の時間からどのような風景に出逢えるかと楽しんでいます。前日天気予報をチェックして霧や霞の立ちそうな時を狙います。写真は被写体と光や空気との出会いのタイミング次第ですから、いつでも気に入ったショットがうまれるわけではありません。自分の目で面白いと感じるところを探すのが楽しいですし、私はあたたかさの感じられる「空気感」を大切にしています。


そんな作品のひとつが「伝統を受け継ぐー桧枝岐歌舞伎」です。福島県檜枝岐村で300年近く継承されている歌舞伎を題材に、ほのぼのとした雰囲気や屈託のない役者たちの表情をとらえた組み写真です。この作品は第59回全国展フォトコンテストで「内閣総理大臣賞」の名誉を頂きました。初めて観覧した日に撮影したものですが自分でも大好きな作品です。本年は写真界のワールドカップと呼ばれる「2015WPCワールドフォトグラフィックカップ」ルポルタージュ部門の日本代表に選出していただきました。こうしたチャレンジの機会は、作品制作のモチベーションとなって私を励ましてくれます。作品の表現方法として、和紙や画材紙、パール紙、シルクなどプリントにも工夫します。こうした工夫や光の加減など自然撮影からの経験はスタジオ撮影にも役に立っています。光の当て方で柔らかい雰囲気を出したり、目を生き生きさせたりします。

宇都宮で 70 年あまり続く 『町の写真館』の誇り

「すずき写真館」は私の実家であり私は2代目になります。この家はもともと百年以上続く助産院で、宇都宮の古い地図にも載っています。父は戦後、叔母が営んでいた助産院の一角を間借りして写真館を始めました。二荒山神社南の繁華街に近い好立地でしたのでお陰さまで順調に営業させて頂いております。父が戦前に、東京・青山で開業していた長兄の写真館で修業したころは出征する軍人さんの記念撮影がひっきりなしだったそうです。


写真の需要も移り変わり、現代はデジカメやスマホで気軽に楽しめるようになり、私たちの業界でも大手の子供写真館が台頭し、個人の写真店、写真館は厳しい時代となっています。でもそれぞれの店が個性や工夫で存続し「町の写真館」という文化を守っているのかと思います。最近、レストランを経営する幼なじみと写真と美容のイベントなどにも協力しています。


70年あまり宇都宮の町と共に歩んで来ましたが、3代に渡って来てくださる、遠い引っ越し先から何十年ぶりにお越し頂く、とお客様に感動をいただく事も多い仕事です。技術や経験を積み重ね、感動をシャッターに込めてオリジナティ溢れるものを 写真を見た時ににこっとなれる‥ほころぶ笑顔になれる。心に残る喜んでいただける1コマお届けしたいですね。

profile

宇都宮市出身。東京工芸大学短期大学部 写真応用科卒業。日本写真文化 協会会員。日本写真館協会会員。栃木県写真館協会文化部長。第59 回 全国展フォトコンテスト(一般社団法人日本写真文化協会主催)におい て「内閣総理大臣賞」受賞。「2015,2016WPC ワールドフォトグラフィッ クカップ」日本代表。2017 日本現代写真家全集No.12 「華厳風美」出 版。個展開催。

すずき写真館