すみれ会

すみれ会 栃木県女性経営者100人

Amitie 音楽館主宰

地域に根ざした活動を通し、 音楽の素晴らしさを広く伝えたい

フルート奏者

栗田 智水

吹奏楽部の面白さにはまり フルート奏者の道へ

私の母は高校の音楽教師で、吹奏楽部の顧問をしていました。小さい頃からその姿を見ていたので、私も小学生の時に吹奏楽部が面白そうだと思って入部しました。楽器を選ぶ際には母から「私がやろうと思って買ってあったフルートがあるから」と言われ半ば強制的に(笑い)、フルートに決まりました。しかし実際にフルートを始めると楽しい。それで小学校、中学、高校とずっと部活動でフルートをやっていました。大学進学の時、音大という選択肢もありましたが、当時は演奏家より教員になりたい気持ちの方が強く、両親も堅実な生き方を教育方針としていましたので、大学は宇都宮大学の教育学部音楽科へ。でも実際に宇大に行ってみるとフルート専門の先生はいらっしゃらず、月に何度か東京の先生のところに通っていました。


実は高校生の時に、栃木県がフランスのボークリューズ県と行っている交流事業の一つである短期研修事業があって、それに選ばれてフランスへ2週間ほど行きました。その時、またいつかここに戻ってきたいという思いが募ったんですね。フランスの作曲家や演奏家に惹かれる自分を発見したのです。そこで、大学を卒業する時、ある作戦を立てたのです。

フランス留学で体験したこと それが私の財産

卒業後は大学院に進むことになっていましたが、親に黙ってパリの音楽学校エコール・ノルマル音楽院を受験したのです。MDだったかCDだったか忘れましたが、自分の演奏を録音して送ったら合格通知が来ました。そこでビザを取り、パリのホームステイ先を決め、飛行機のチケットも購入し、すべてお膳立てが整ったところで「実は…」と親に切り出しました。親としてはそこまで私がフルートを、音楽をやりたいとは思っていなかったでしょうから、まさに青天の霹靂ですよね。親の承諾を得て大学院は休学することにし、パリへ行きました。1年後、今度は国立の音楽学校に進み、計3年フランスで学びました。このフランスでの体験は私の大きな財産になりました。音楽の素晴らしさを再認識しましたし、クラシック音楽が身近にある環境、人と人の繋がりの大切さ、世界で活躍する先生方との出会い、各国からやってくる留学生達のパワーと才能の凄さ…、いろんなことが勉強になりました。あの時の経験が今の私の背中を押してくれていると思います。留学させてくれた両親には本当に感謝しています。


日本に戻って大学院を卒業し、演奏家一本の道には進まずに県立高校で音楽の常勤講師になりました。ただ、仕事に打ち込み過ぎたのか、突発性難聴を患いました。思うように演奏に専念できないストレスも加わったのだと思います。それで講師は非常勤に替えてもらい、少し余裕が出たところで個人レッスンをしたり、徐々にいただくことが増えた演奏のオファーに応じたりしていました。


その後、結婚と出産を機にいったん活動を休止したのですが、改めてこれから私はどうしたいのかと自問自答し、フルート教室のAmitié 音楽館を自宅で開くことにしました。もちろん演奏活動も再開し、さらにレッスンをするだけでなく、演奏家の派遣業務や演奏会などのイベント企画を行う事業を始めました。

演奏活動を主軸に あらゆることに挑戦

フルート教室には、小学生から大人の方まで、専門家を目指す学生以外にも幅広い層の方がいらっしゃいます。レッスンは自宅以外に、私の両親の家と、出身の茂木町と3箇所で定期的に行っています。さらに週末は吹奏楽部の指導で県内各地を回っています。でもやはり主軸の仕事は演奏です。月に多いときで7〜8回、コンサートを行っています。依頼されて行うことがほとんどですが、私が企画・プロデュースして開くケースもあります。レッスンも演奏の仕事も、夜遅くまでになることが多いので、夫と、両家の両親のサポートに心から感謝しています。


そして、これからもっと力を入れたいと思っているのは、私が関わった若い音楽家達の未来を作ること。これまで音大に入り、卒業するまではフォローできましたが、大事なのは卒業後のこと。彼女たちが音楽の道でやっていけるように活躍できる場を開拓したいと思っています。結果的に、それが地域の文化振興にも繋がると思うのです。そして、さまざまな楽器の演奏家を派遣する仕組みを作ったり、自らその場をプロデュースしたり。コンサートを開くためのノウハウも教えたいと思っています。教育学部を出て修士も持っているので、教えるのは得意です(笑い)。また、楽器の演奏は、美容と健康にも良いので、より多くの方が趣味としても楽しめるようなお手伝いが出来れば嬉しいです。音楽の素晴らしさもっともっと世の中に伝えるのが私の使命だと思っています。

profile

茂木町出身。県立宇都宮女子高等学校、宇都宮大学卒業後、渡仏。パリ・ エコール・ノルマル音楽院を首席修了。仏国立オールネイ・ス・ボワ音 楽学校を一等賞にて修了。宇都宮大学大学院を修了。国内外の様々なコ ンクールで入賞。現在は各地で演奏活動を行う他、オーケストラとの共演、 TV やラジオ、音楽事典への楽曲提供を行う他、コンクールの審査員等も 務める。茂木ふるさと応援大使。

フルート奏者 栗田智水